風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

2020-04-21から1日間の記事一覧

「長崎ロシア遊女館」渡辺淳一 レビュー

渡辺淳一さんの歴史(的)小説は出来る限り読みたくて、古本屋さんでも探すのですが題名だけではどのほんが歴史小説なのか中々判断が付かず困ります。↑は5つの短編ですが、まぎれもなく、歴史(的)小説、しかも渡辺氏お得意の医学に関係で、吉川栄治文学賞…

「覆面作家の愛の歌」北村 薫 レビュー

尊敬してやまない高村薫さんと似たお名前なので、お二人を混同していた時期がありましたが、今回初めて北村薫さんの作品を読み、ジャンルでいえば同じ 推理、ミステリー部門に入るものの、当然ですがお二人は全く異なる世界でいきているような感じがしました…

「おとうと」幸田 文 レビュー

幸田露伴の娘、文さんの作品です。朝日新聞で催されていた読者と一緒に読む本にも取り上げられていたのでいつか読みたいと思っていました。 読み進むうちに、もしかしたらこの作品はドラマ化され、見た事があるかもしれないと思いましたが、ドラマ化されたか…

「蹴りたい背中」綿矢りさ レビュー

早稲田大学在学中に上の作品で芥川賞受賞、最年少記録を大幅に更新した綿矢りささんの2作目です。 前作「インストール」も2001年高校在学中に文芸賞を受賞し話題になったので、こちらはずいぶん前に読み、少しがっかりした思い出があります。 そんなわけ…

「高熱隧道」吉村 昭レビュー

黒部ダムの第3発電所、昭和11年8月着工、昭和15年完工。 人間の侵入を拒み続けた峡谷の岩盤最高温度165度という高熱地帯に、トンネルを作った男たちの話。この難工事に犠牲者は300名を越えたそうです。 トンネル貫通への情熱に取りつかれた男た…

「月下美人」吉村 昭レビュー

綿密な取材の元に書かれる吉村昭さんの歴史(的)小説は、その道の専門家が読んでも面白いのではないでしょうか。 素人の私が読むと、あまり興味のない分野は難しく感じる部分がありますが、表題のような短編集はどの話もとても面白いです。 この「月下美人…

「バンのみやげ話」石森延男 レビュー

石森延男さんは札幌出身で主に児童文学を書いていらした方で、国語の教科書の編集などもされていた国語の先生です。 この本は小学6年生の時友だちから誕生日プレゼントとして貰ったもので今だに私の本箱に鎮座しています。 1960年頃のヨーロッパのこのみ…

「戦艦武蔵」吉村昭 レビュー

第二次世界大戦勝利のために日本帝国海軍が総力を結集して造りあげた「戦艦武蔵」 そのあまりにも大きな規模と緻密さに半ば慄き、そして滑稽にも思えてきました。 そうです。この「武蔵」は戦争の神話的象徴なのです。 吉村氏は、この象徴を通してかの戦争の…

「桜田門外ノ変 下」吉村昭 レビュー

「桜田門外ノ変 下」 吉村昭 下巻しか手に入れられず、残念に思いながらつらつら読み始めたのですが、はまりました。かなり面白かったです。 幕末の話は本当に面白いですね! 2011-01-15

「続 巷説 百物語」京極夏彦 レビュー

『巷説百物語』(こうせつひゃくものがたり)は、京極夏彦による時代小説作品。続編に『続巷説百物語』(ぞく-)、『後巷説百物語』(のちの-)、『前巷説百物語』(まえの-)、『西巷説百物語』(にしの-)があり、『後巷説百物語』は2003年第130回直木賞受…

「魍魎の匣」京極夏彦 レビュー

「魍魎の匣」は、もうりょうのはこ と読みます。 匣は読みの通り「箱」のことですが、「魍魎(もうりょう)」とは一体何なのでしょう。「形 三歳の小児の如し、色は赤黒し、目赤く、耳長く、髪うるはし。このんで亡者の肝を食らうと云」らしいです。 妖怪研…

「レディ・ジョーカー」高村薫 レビュー

高村薫作品は「マークスの山」が始まりでした。 とにかく面白くすっかりはまってしまいました。 それなのにその後数冊読んだだけで、このレディジョーカーまでしばらく間が空いてしまったのは、高村作品の「重さ」ゆえなのですが、この重さが面白さであるこ…

「サイレント・マイノリティ」塩野七生 レビュー

塩野作品はかなり大人になってから読み始めたのですが、私にとっては難解で、おそらく半分ほどしか理解できていないのではないかと思っています。 難解だと思う理由をカバーに書かれているこの本の紹介文で説明してみます。 「みずからの置かれた状況を冷静…