「流転の王妃の昭和史」愛新覚羅 浩 レビュー
私はどうも旧満州国に興味があるようです。
それは、私の住む北海道にはかつて満州からの引揚者と呼ばれる方が本当に沢山いらして、父方の祖母もその一人だったので身近に感じるからなのかもしれません。
また、こんなことを言ったら笑われるでしょうが、満州国皇帝 愛新覚羅 溥儀やその弟君の溥傑の写真を見るたびに、戦争へ行き結核で亡くなった父の兄の遺影と驚くほど良く似ていると思ってしまうからなのかもしれません。
そして何より、溥傑の妻 浩さんが日本人であったことに俄然興味がわくのです。
愛新覚羅 浩さんに関する本は以前も読み、ここにも感想を書いていますが、浩さん本人の著作であるこの本は、それを裏づけ、また新たにわかることも多く、非常に興味深いです。
最近になり朝日新聞の北海道版に旧満州の人々の暮らし等が連載されました。
満州で暮らした人たちのほとんどが亡くなっているはずですが、その全ての人たちの住居等が記載された地図なども新たに作成されつつあるようです。
平成天皇在位20周年記念の天皇のお言葉のなかに「わたくしがむしろ心配なのは歴史が忘れさられていくことです」というのがありました。
満州建国から崩壊までの生き証人である浩さんが記してくれたことがらも、記憶にとどめておくことは大切なことだと感じています。