風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

「痴人の愛」谷崎潤一郎 レビュー

この本も長い間家の本箱に眠っていました。二十歳の頃に買っていたようです。
こういう難しい?本を当時ちゃんと読んでいたのか、否か。
正直に言いますと、ちゃんとは読んでいません。
でも「ナオミ」という名が妖婦の代名詞というのは、インプットされていました。

今回あらためて読んでみると、これもまたすごく面白くて、明治~昭和の初めの作家は皆 鬼才または奇才ばかり、はたして当時の庶民にこれらの作家が受け入れられていたのか、知識人の中だけで評価されていたのではないかと、思ってしまいました。

 

痴人の愛
内容は、帯を写します。
「主人公譲治は、自分で見いだして育てあげた美少女ナオミの、成熟するにつれて妖艶さを増す肉体に悩まされ、ついには愛欲の奴隷となって、生活も荒廃してゆく、、、。」大正末期の性的に解放された風潮を背景に、知性も道徳感情もない妖婦の一典型を創造して悪魔主義的傾向の頂点に立つ作品であり、「ナオミ」は日本における妖婦の代名詞とされるにいたった。


>大正末期の性的に解放された風潮

日本にもこのような時代があったのですね。
ナオミをはじめここに出てくる学生(慶応生となっています)は、どこかの教育大生より性質(たち)が悪そうで、怖いです。
そんなナオミに溺れてしまう男、これも性なのか。
怖いです、でもかなり面白いです。



2009-06-16