「無名仮名人名簿」「男どき女どき」向田邦子他 レビュー
この年末年始は向田邦子さんをはじめ、作家の随筆を沢山読みました。
向田邦子さんはじめと書きましたが、作家の随筆を読み返したいと思ったきっかけは、漱石の随筆「硝子戸の中」を非常に興味深く読んだからです。
漱石の「硝子戸の中」については他に書くことにして、向田さんの上の2冊ですが、以前感想を書いた「真夜中の薔薇」と同一線上にある売れっ子時代に書かれたものばかりです。
でもどの随筆も本当に面白くて、着眼点のするどさは無論、かなり奥深いことでも誰にでもわかるように書かれているのはとても有難いです。
こんな文章が書けたなら、日記を書くのも面白いだろうな(日頃、書きたいことは山ほどあるのに、上手く人に伝えられる文章が書けないため、日記を書けない私、)と羨ましく思います。
「女性のかしこさ120章」 掘 寿子
随筆を探して本棚を見ていると掘 寿子さんの懐かしい「女性のOO120章」シリーズが出てきました。上の他には「女性のやさしさ120章」「女性のすなおさ120章」があります。
さて、あなたが女性に一番に求めるものは「やさしさ」でしょうか。
それとも「かしこさ」?やっぱり「すなおさ」でしょうか。
どれも大事なことですけれど、あなたが若い方なら「やさしさ」が一番かしらね。
今のこの大不況下にあって奥様には「かしこさ」も求められるでしょうし、やはり女は「すなおさ」が一番と思われる方も多いことでしょう。
私がピアノの生徒に一番に求めるのは「すなおさ」なんですけれど、それとこれとはちょっと違いますね(笑)
もし、私が男だったら、年上の女性には「やさしさ」を求め、年下の女性には「すなおさ」を求め、同年代の女性には「かしこさ」を求めるかもしれません。
ま、3つがあわさったような、時と場合によって、いずれにもなりうる女性が一番、そうありたいものです。
さて、あらためてこれを読み返すと、懐かしさばかりで、古い道徳の教科書を読んでいるような気分になりました。
この本は随筆というよりハウーツー本に近いため、時代とともに色褪せてしまっているのは仕方ないでしょう。
2009-01-19