「夜中の薔薇」向田邦子 レビュー
向田邦子さんが飛行機事故で亡くなってから、もうどれくらいの年月が経つのでしょうか。
もう向田さんを知らない世代が多くなっているのがとても残念です。
向田さんといえば、「寺内貫太郎一家」を思い出す年配の方が多いと思いますが、私は、向田さんのエッセイを読む度、簡単で美味しい料理が作りたくなって仕方なくなります。
こう言うと大変失礼かもしれませんが私の手抜き料理は全て向田さんから学んだものかもしれません。
先日、友達がスィートポテトを持ってきてくれたときのこと。
「スィートポテトは大好きなんだけれど、ポテトの裏ごしが面倒で、、」と言ったら、彼女は「裏ごしのような手間を惜しんだら美味しいものは作れないのよ~」と言ったのを、「うん、うん、そうだねー」と頷きながらも、「いや、そうとも言いきれないんじゃないかなぁ」と思う私がいました。
これも向田さんの影響です🙏
タイトルになった「夜中の薔薇」というのは
シューベルトの有名な歌曲「わらべはみたり、野中の薔薇~」を
長いこと「夜中の薔薇~」と歌っていたという話で、こういう歌い間違い、勘違いは、誰しも一つや二つ持っていますよね。
「兎 美味し かの山~」(兎 追いし かの山~)なんて、傑作ですよね(笑)
「夜中の薔薇」のエッセイは、歌詞の間違いの話だけでは終りません。
夜中の薔薇の話から、向田さんらしいエピソードがいくつも盛り込まれています。
今頃になって向田さんを思い出すのは、私が向田さんが亡くなった時の年齢に近づいたからかもしれません。
2008-11-24