「スローなブギにしてくれ」片岡義男 レビュー
いつからか本を読むことに少しだけ罪悪感のようなものを感じるようになっています。
それは現実(家事やピアノ)からの逃避だと思っているからでしょうか。
そんなこと気にする前に、「感じるだけじゃなく、何か行動を起こせよ」と、言われているような気がするからかもしれません。
新聞の読書コーナーでですが、久しぶりに片岡義男さんの文章を読みました。片岡義男さんの本は、若い頃、題名やカバーに惹かれて結構読みました。椰子の木が並ぶ海岸線、ハワイやロスの風景、ロック、ウィスキー、英字新聞、金髪の美女、白いTシャツに皮ジャン、オートバイ、サーフボード、、、断片がよぎるだけで、ほとんど中身を覚えていませんが、ロックが似合う小説だったような気がするだけです。
久しぶりに片岡さんの文章を読み、小説の中身をすっぽり読み落としていたのを残念に思いました。
“記憶が自分の全て” だと片岡さんは書いてらっしゃいました。それはたぶん真実なのでしょう。
自分は自分の記憶以上のものではなく 自分の記憶以下のものでもないのですね。
他人が考える私とは、似ていても違うのでしょうね。
「スローなブギにしてくれ」は、片岡さんの小説の中で唯一もっとも記憶しているものです。
映画も2、3回観ました。南佳孝さんの同名の曲も映画にマッチしていてとても好きでした。
これは80年前後に書かれたものなのかな。実にまったりとした時代だったのかと思います。
それ以前は、反戦、反社会、反体制、、etc。若者もすごく苦しみ もがいていたような気がするからか、少しくらいルーズでもいいんじゃいかなと思ったり、、、つまりは、本を読むことに罪悪感などこれぽっいもいらないということですよね!!
2008-01-18