風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

「細川ガラシャ夫人」三浦綾 レビュー

戦国の世にキリスト教の洗礼を受けクリスチャンとして生き、信仰を貫き壮絶な死を遂げた細川ガラシャ 彼女のことをもっとよく知りたいと思っていた。この本の上下が手に入りとても嬉しかったです。

細川ガラシャ(本名 玉子)は、明智光秀の娘で、信長の命令で細川忠興に嫁ぎます。類いまれな美貌の玉子を忠興は愛するがゆえ、世間から、特に秀吉の目に触れないように、外出させてもらえませんでした。
玉子が備えていたのは美貌だけではなく、教養、人間としての優しさ、辛抱強さ等々、全くもってこれ以上にないくらい完璧な女性であったようです。

それゆえに、女性が男性の所有物でしかなく政略の道具をして使われることへの憤り、疑問、様々な矛盾を感じ、真の人間らしい生き方を求めたのだと思います。

玉子がお付きの人たちをともに命がけで宣教師を訪ねる場面は、とても感動的でした。

信長、秀吉、家康、明智光秀石田三成に対しての細川家の動きも非常に丁寧に書かれていて、この時代の武家の考え方が少しずつ理解できてきました。

強者の論理が支配する時代に、命をかけて信念を貫いた細川ガラシャの生涯は、クリスチャンばかりではなく、人としての生き方の指針にもなりますね。

 

 

2012-02-05