読書の記録
犬の謎の間違いじゃないかと思う方もいらっしゃるでしょうが、猫の謎というタイトルで間違いありません。 若い頃から好きな作家の1人に村上春樹さんがいます。実は「ノルウェイの森」以降の作品は少し好みじゃなくなっているのですが、今日は村上さんの「猫…
今日は何の予定もない休日でした。庭に植えた花も順調に育っているし、梅公園にもう一度散歩に行くには風が強くてためらわれました。 外は風があるのにお日様は燦々とソファに降り注いでいます。こんな日はソファに寝転んで本を読み耽るにかぎります。 私の…
清少納言という女(1) この本は、かの有名な「春はあけぼの・・・をかし」で始まる 清少納言の「枕の草紙」を通して田辺聖子さんが感じる清少納言像と清少納言が務めた宮中の様子を小説仕立てにしたものです。 暑い夜のつれづれに読んでいるものだから、よう…
多少のことには動じない自分になる!人生はイライラした方が負けである。危険な人々に困らせられたら、にっこり笑ってこういおう。「困らせてくれてありがとう!」 白状すると、はぃ、、、この帯につられて買い求めました。 (目次)1章 厄介な人はどこにで…
この本は塩野さんが愛する映画の中の人びとについて書かれた本です。 塩野七生さんは私の憧れの人ですが、なかなか近づくことができません。 映画についても、これほど深く感じることができる方は多くはいないでしょうね。 男性とは全く違った見方をされると…
湊 建日子(1968年生)=はた たけひこ と読むのですが、この方は女性なのか男性なのか、本を読んだ後もわかりませんでした。 私は女性だと思いましたが、男性ですね。失礼いたしました。 一言でいうと、実に面白い本でした。 数日間、読者の時間が楽しみで仕…
2001年、石田衣良さんのデビュー作品です。 石田衣良さんは朝日新聞で連載をやっていたので、もっとずっと前にデビューされた方だと思っていました。 このままドラマの脚本になりそうなくらい話題性、スピード感があり、視覚的にも斬新な秀作だと思います。 …
いつからか本を読むことに少しだけ罪悪感のようなものを感じるようになっています。 それは現実(家事やピアノ)からの逃避だと思っているからでしょうか。 そんなこと気にする前に、「感じるだけじゃなく、何か行動を起こせよ」と、言われているような気が…
ミステリーにははまると大変と思っている私ですが、アガサ・クリスティー、エラリー・クイーン、サラ・パレツキーなどは別枠で考えています。 昨年は忙しくて本屋さんに行く時間、余裕がなかったので、夫のお下がり本を読んでいたのですが、その大半がミステリ…
4TEEN=14歳、直木賞受賞作品 いやぁ男の子ってホント面白いですね! 末っ子が主人公たちと同じ年齢で、同じ位バカなことをするので親としては大変なのですが、本当の所は彼らの気持ちもわかるんです。 現実はこの小説のようにはいかないけれど、気持…
’89年、日本推理サスペンス大賞受賞作品。 宮部みゆきさんは1960年東京生まれ。 '87年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞後、上の賞の他、日本推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞、山本周五郎賞、日本SF大賞、「理由」では直木賞も受…
「4TEEN」に続き、中学生を扱っていたので読みました。現実には「酒鬼薔薇事件」があり、ちょうどその年代にさしかかっていた息子が3人もいるのに、ローティーン(特に男の子)の心の闇をここまで深く考えたことはありませんでした。 今、三男坊を見て…
1989年、宮部みゆきさん初の長編作品です。 一人称の俺は元警察犬(マサ)です。空前のペットブームということもあり、これからの小説には犬や猫が数多く登場しそうですよね。夏目漱石の「我輩は猫である」が始まりだとは思うのですが、あまりにもインパクト…
私の中で「雪国」は古典です、 昭和47年まで生きていた川端康成を古典とは、なんて乱暴なと思うでしょうか。 川端康成氏の感覚は紫式部や清少納言より古いと感じてしまったのです。これは単なる男と女の違いでしょうか。 なんだか偉そうに書いてしまいまし…
川端康成 晩年の作品(朝日新聞連載作品)です。 心身ともに危機の状態(執筆終了後東大病院に入り10日間意識不明に陥り、その間に肺炎と腎盂炎を患ったが本人は知らなかったとのこと)で、眠り薬でもうろうとしている中で書き進めたと後書きで書いておら…
あの銀行を撃ち落とせ!謎の老投資家が選んだ復讐のパートナーはフリーターの“おれ”だった。マーケットのAtoZを叩きこまれた青年と老人のコンビが挑むのは、預金量第三位の大都市銀行。知力の限りを尽くした「秋のディール」のゆくえは…。新時代の経済ク…
この春から経済学部経済学科に進むことになった次男に早速大学から課題が送られてきて、それがこの「落差社会」を読み2つのレポートを書くことでした。 経済に疎い私ですが「結構読み易かった」と次男がいうので挑戦してみました。 非常にわかりやすく説明…
朝日新聞のbe土曜日の愛の旅人を毎週楽しみに読んでいます。昨年、この貞奴(伊藤博文に水あげされた芸者)と川上音ニ郎、福沢諭吉の娘婿になった福沢桃介の三角関係を書いた愛の旅人が頭に残っていて、ちょっと手にとってみました。杉本苑子さんを読んだの…
天皇家につながる華族の姫君であった嵯峨浩さんは、満州国の愛新覚羅溥傑(あいしんかくら ふけつ)と結ばれました。 日本軍による政略結婚ではありましたが、溥傑という人は兄の満州国のラストエンペラー愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)よりも人間的に…
「週刊ポスト」誌上で1995年から足掛け5年連載され、2001年に加筆改稿され単行本化されるやいなや空前の大ベストセラーになった作品を今さらながら読みました。 1巻目は休み休み読むことができたのですが、2巻に入ったとたん休むことができなくなり、ラス…
アガサクリスティを3冊続けて読みました。 「ポケットにライ麦を」「オリエント急行殺人事件」「ブルートレイン殺人事件」 いずれも以前読んだ本ですが、もうずいぶん前のことなのですっかり内容を忘れていました。と思いながら読み進めていくと、ところど…
村上龍さん2003年の長編小説です。当初からすぐに読みたいと思っていたのですが、文庫化され、ゲームまで登場してからやっと手に取ることができました。 先に書いておきますが、読後の私的勝手評価はBでした。 私は龍さんのファンを公言していますが、よく…
第3回「このミステリーがすごい!」大賞 受賞作品だそうです。 まず、ミステリー作品には、多くの賞が用意されているものだとこのネーミングとともに感心してしまいました。 村上龍氏、渾身の1冊の後の息抜きに読んだものですが、大賞を取るだけあって、よ…
この作品で、あの千里眼 美由紀の正体が暴かれるとなれば読んでみたくなるのは当然でしょうが、私はこのシリーズにだいぶ前から飽きていてヒマ潰しに読み始めました。 なんだか、戦闘シーンは「24」の真似?、美由紀はAVを受けていたらしい。 あー、読む必…
久しぶりに曾野 綾子さんを読みました。曾野綾子さんのご主人は、三浦朱門さんですね、 エッセイばかり4冊読みました。実は曾野 綾子さんの小説は1冊も持っていなくて、読んだことがありません。 タイトルの「誰のために愛するか」を見て、非常に懐かしく…
2003年に幻冬舎から出版されたロングベストセラーです。大藪春彦賞、吉川栄治賞、日本推理作家協会賞の三冠に輝く作品。 「ソウル」というのは韓国のソウルではなく「魂」の意味です。 幻冬舎という出版社は、いい作品を出しますよね。いい作品に出会う…
1979年デビュー作「風の歌を聴け」にはまり、1987年の「ノルウェーの森」を読むまでは、村上春樹さんはとても好きな作家だったのですが、「ノルウェーの森」以降、作品にも村上春樹さんとにも興味を失っていた時期があります。 でもやはり作品に出会…
言うまでもなくこの夏(2008年)に出たハリーポッター最終巻です。またしても上、下2巻セット 3800円は高い!あまりにも高いので、すぐに買うのほ躊躇したのだけど、やはり新刊を買ってしまいました。 ハリーポッターは、我が家にとって家族で楽しめる数少…
「短歌」のサークル(web上)に入れて頂いて数ヶ月経ち、一作も詠むことがないまま、夏休みの宿題が出されたので、とりあえず家にある歌集を読んでみたのです。 「あなたと読む恋の歌 百首」俵 万智「サラダ記念日」俵 万智「チョコレート革命」俵 万智「み…
川端康成の上をいく衝撃、非常に面白かったです。 「こころ」は高校生の時に読みました。 そして大学の文学の講義でもう一度読んでから、またかなりの年月が経ちました。 学生の頃、文中の「私」は私だったのに、今は「先生」が私になっていました。 この先…