風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

「半島を出よ」村上龍 レビュー

村上龍さん2003年の長編小説です。
当初からすぐに読みたいと思っていたのですが、文庫化され、ゲームまで登場してからやっと手に取ることができました。

先に書いておきますが、読後の私的勝手評価はBでした。

私は龍さんのファンを公言していますが、よくよく考えてみると、それは作品に寄せる彼の想い、情熱、TVや雑誌での彼の言動、彼の男らしい部分が好きなのですが、作品は大好きとまではいかないものが多いです。

私の夫は、男らしい人なので、龍さんの作品には私よりずっと共感を覚えるようです。
ちなみに、村上作品で夫が好きなのは「コインロッカー ベィビーズ」で、私は「限りなく透明に近いブルー」です。

そう、私は若い時に受けたあのなんとも言えない衝撃のようなものから未だに脱却できずにいます。
なんだか龍さんに申し訳ないです。(笑)


ところで、「カンブリア宮殿」(テレビ東京)を観ていますか?
毎週、各界で活躍するゲストを龍さんと小池栄子さんがインタビューするという実にシンプルな番組です。

このゲストの方たちの活躍、その元の発想であったり、行動力があまりにもすごいので、番組内では龍さんでさえ普通のおっさんに見える(見せている)のですが、私が毎回一番驚くのゲストの方々への誠実さです。
私は龍さんの誠実さが好きなんですね。

龍さんが「半島を出よ」で書きたかったこと、今、書かねばならないと思ったことが、本当によくわかりました。

この作品をどんなに滑稽(こっけい)と思われても、龍さんは、この国の危機を大声で叫ばなければならなかったということなのではないでしょうか。
私はそう思いました。

 

 

2008-06-16