「フェイク」楡周平 レビュー
自分では絶対に買うことがない本を続けて読んでいる。それは本屋さんにいく時間がないためで、悲しいことではあるけれど、こういう状況は読書の幅を広げるのに役立つこともあるね、今回は夫の本箱から。
主人公 陽一は三流大学出身の22歳、童貞。
就職先は銀座の高級クラブ、下っ端のボーイで月給手取り15万。
水商売に足を突っ込んだとはいえ、陽一は中々いい子なんですよ。それで我が家の下二人の息子と重なるため、意外にこれもすいすいと読んでしまいました。
うん、でも家の息子たちはクラブのボーイはできないだろうなぁ、もしできたら別の意味で拍手でしょうねぇ。
銀座には、年収1億のホステスがいて、湯水のようにお金を使える人がいて、お金がなくてもギャンブルするものがいるのね、これは現実。
この作品の面白いところは上の現実を踏まえて、企業の社長から出させた3億ものお金を1日の競輪で見事に浄化?して手にいれる所でしょう。
さて、陽一は情けない青春にピリオドをうつことができるのでしょうか。
私からすると陽一はごくまともで、年収1億のママの摩耶や実家の印刷屋を助けるためにホステスになった恋人のさくら、ギャンブル好きな酒屋の息子謙介の方が怖かったです。
できれば陽一だけ、銀座から足を洗わせたかったです(笑)
2012-03-02