「愛新覚羅浩の生涯」渡辺 みどり レビュー
天皇家につながる華族の姫君であった嵯峨浩さんは、満州国の愛新覚羅溥傑(あいしんかくら ふけつ)と結ばれました。
日本軍による政略結婚ではありましたが、溥傑という人は兄の満州国のラストエンペラー愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)よりも人間的にも優しく、教養もあり、好人物だったようで、愛を育み仲睦まじい夫婦になりました。その二人を戦争が引き裂きます。
浩さんは、満州国滅亡、逃避行、愛娘慧生(ふせい)さんの天城山心中など、苛烈な運命ドラマを生き抜いた激動の昭和の生き証人ともいえる方で、とても強い女性だと思います。
政略結婚でも愛新覚羅溥傑さんのように人間的にすばらしい方に嫁ぐことができたのは奇跡のように思います。そんな浩さんの生涯、激動の昭和史に興味ある方は是非お読みください。
2008-04-30