風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

「隼人」郷 隼人歌文集 他 レビュー

 

「短歌」のサークル(web上)に入れて頂いて数ヶ月経ち、一作も詠むことがないまま、夏休みの宿題が出されたので、とりあえず家にある歌集を読んでみたのです。

 

「あなたと読む恋の歌 百首」俵 万智
「サラダ記念日」俵 万智
「チョコレート革命」俵 万智
「みだれ髪(チョコレート語訳」俵 万智
「ベットサイド」林 あまり

そして「隼人」 郷 隼人

 

俵 万智さんは短歌を身近なものに感じさせてくれました。私でも短歌を作れるような気にさせてくれた方です。しかしそれは「サラダ記念日」「チョコレート革命」あたりまでのこと。
「みだれ髪(チョコレート語訳)」では、与謝野晶子の短歌に触れ、短歌は易しいものではないと悟りました。

今回もつくづくそう感じました。

チョコレート語訳より、与謝野晶子の短歌に惚れ惚れしましたけれども。

 

朝日新聞に連載されていた「あなたと読む恋の歌 百首」には、心に残ったお気に入りの短歌がいくつかあったのです。今回、俵 万智さんの解釈を読み返してみると、また新たに短歌の面白さを感じました。

その中で特に好きなものを書いておきます。

 

・全存在として抱かれいたるあかときのわれを天上の花と思わむ (浦母都子)


・かの時に言いそびえたる 大切の言葉は今も 胸にのこれど(石川啄木


・一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております (山崎方代)


・君かへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎のごとくふれ (北原白秋

 

さて、「隼人」ですが、作者は朝日歌壇では知られた方です。
終身刑でカリフォルニアの刑務所に20年、、、カリフォルニアで終身刑は、刑が軽くなることはありません。つまり本当の終身刑なのです。

詠む歌はどれも胸に迫ってきます。

 

・囚人のひとり飛び降り自殺せし 夜に「Free as a Birdビートルズは唄う

 

・独活(うど)三葉(みづば)山葵(わさび)筍(たけのこ)紫蘇(しそ)茗荷(みょうが) 想いつつ食む獄食スパゲティ

 

・老い母の独力で書きし封筒の 歪んだ英字に感極まりぬ


う~ん、、、私にとって短歌はなんぞになるんかな。
詠むより読むほうが楽だけど、いつか詠めるようになりたいと思います。

 

 

・「あなたと読む恋の歌 百首」俵 万智 
・「サラダ記念日」俵 万智 
・「チョコレート革命」俵 万智 
・「みだれ髪(チョコレート語訳」俵 万智 
・「ベットサイド」林 あまり 
・「隼人」 郷 隼人 

 

2008-08-30 1