吉村昭さんのこのような歴史(的)小説は、とても興味深いです。
今の時代の私たちはなんてわがままに生きているんだろうと感じます。
嵐の夜、浜で火を焚いて、近づく船を座礁させ積荷を奪い取る 僻地の貧しい漁村に古くから伝わる サバイバルのための過酷な風習「お船様」が招いたものはあまりにも悲惨だった。わけのわからない伝染病?に冒された者皆、自ら山へ死にいく。
全編初めて聞く話だし、貧しさとはこうも悲惨で過酷なものかと目を覆いたくなりましたが、漁村が舞台のせいか、三島由紀夫の「潮騒」の匂いをほのかに感じそこが愛おしかったです。(2012.5.27)