「母」三浦綾子 レビュー
この母は、あの「蟹工船」の小林多喜二のお母さんセキさんの話です。
もうこれだけで胸が熱くなってくるのは私だけでしょうか。
セキさんは秋田の片田舎の極貧の農家の娘で、13歳で小林家に嫁いできました。極貧だったから学校へは通えず、文字も読めませんでした。
でも幸いなことに、家族や回りの人たちに愛されて育ち明るく働き者だったので嫁ぎ先の小林家の人たちにも可愛がられました。
だから貧しくでも温かい家庭を築くことができたのですね。
一方、多喜二の父親の家系は、皆勉強が好きで優秀でした。多喜二の祖父は事業にも成功し、セキさんが嫁ぐ少し前までは大金持ちでした。けれどもセキさんの夫の兄が若い時に一人で財を潰してしまい、貧乏になったのです。
(続きは後ほど書きます)
2011-10-26