「悩む力」姜 尚中 他 レビュー
・「悩む力」姜 尚中
非常にわかりやすい本だったので、大学生の次男に読むよう勧めてみたところ、「言っていることはわかるけど、なんで夏目漱石とからめるのかなぁ。そこが気にいらなかった」と言っておりました。私は漱石とからめたところが面白かったのですが。
・「源氏に愛された女たち」渡辺 淳一
20代の頃に 与謝野晶子「源氏物語」を買ったのですが、中々読み進めることができなくて、源氏は老後の楽しみにとっておこうと思っていたのですが、3年ほど前、田辺聖子さんの「新源氏物語」と出会い、すっかり源氏のとりこになってしまいました。
その時に「絵草紙 源氏物語」(文:田辺聖子 絵:岡田嘉夫)も合わせて見ていたことが、大いに助けとなりました。
今、林真理子さんも源氏に取り組んでいますので、林源氏も楽しみにしています。
今回読んだのは、渡辺淳一さんが源氏に愛された女性一人ひとりにスポットを当てて書いたものです。これが源氏を読み解くにあたって、かなり役立つもので、なおかつ読み物としても非常に面白かったです。
昨年あたりから渡辺淳一さんが書いていらっしゃる伝記(興味深い方ばかりです)に感銘を受けぱなしです。
・「スカートの下の劇場」上野千鶴子
刊行されたのは1989年。これはもはやバブル時代の化石本と言っていいでしょう。すごく古い感じがしました。スカートの下の劇場は、女性がスカートを穿くようになってからずっと代わり映えしないように思うのですが、時代が変ると劇場が劇場とよべる代物でなくなるような、そんな錯覚に陥ります。これは単に私が年をとったお意味するだけかもしれませんが。
そういえば上野千鶴子さん(社会学)、この本以来ぱったりとお名前を聞くことがなくなったと思っていましたが、今年(2009年)から朝日新聞be土曜日「悩みのるつぼ」の回答者をしていらっしゃいました。
お写真を見ると、ちょっと老けたかな、でもとてもお元気そうです。
このコーナーは半分冗談のような相談がもちかけられるのですが、上野さんの回答は言葉は面白いですが、お答えは結構真面目ですよね。私も似たような考えをするので上野さんの回答がよくわかり、毎回頷きながら読ませてもらっています。
2010-01-15