風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

「長崎ロシア遊女館」渡辺淳一 レビュー

渡辺淳一さんの歴史(的)小説は出来る限り読みたくて、古本屋さんでも探すのですが題名だけではどのほんが歴史小説なのか中々判断が付かず困ります。
↑は5つの短編ですが、まぎれもなく、歴史(的)小説、しかも渡辺氏お得意の医学に関係で、吉川栄治文学賞受賞作品です。

そのどれもが幕末から明治にかけての話です。

長崎で、初めて外国人と接する遊女に、性病の検査をするように取り計らった役人の話。
人体解剖図を描く絵師の話。
天然痘の免疫を植え付けるため、天然痘の菌がついたかさぶたを用いた医師の話。
赤ん坊の出産は不浄なものとされ不潔な場所で産婆にのみ取り上げられ、産褥布も取り換えられず、2ヶ月もお風呂にも入れないのは、おかしいと考えていた医師が自身の妻に頼み、人体実験をする話。などなど。

いれも興味深い話なのでもっと深みが欲しいと思うのは贅沢でしょうか。

 

 

2010-10-17 17