「世界地図の下書き」朝井リョウ レビュー
この作品は読書家の谷原章介さんが昨年(2013年)一番良かった作品に挙げていた。そもそも新刊はめったに買わないのに早く読みたくてネットで注文したら翌日には届き、読む前から期待が高まっていました。
でも実は、残念なことにあまり感動できなかったのでよね。
名前の付け方のせいか、登場人物が頭の中でごちゃごちゃしたせいもあります。
これは「桐島部活やめるってよ」を読んだ時にもそう感じましたが、「桐島」の方は高校生しか出てこないので、多少ごちゃついてもそれも作品の魅力に感じました。
しかしこちら「世界地図」は、施設の職員をみこちゃんと呼ばせているため、先生と呼んでもいいくらいの存在が、一番年下に感じてしまったりと頭の中のごちゃごちゃも半端ではありませんでした。
施設には他にも職員がいるはずなのに、みこちゃん一人しか出てこないのはないでしょうと思ったり、本筋とは関係ない所に引っかりました。
もう一つ、主人公大輔(小学生)の施設を離れる佐緒里(高校卒業)への思いですが、この感情
これもあるかなぁ。ま、これはあるかもしれないけれど、あまり現実的ではないと思えてしょうがありませんでした。
カバーイラストに表されているように子どもたちの心が純粋でそれはとても良かった。
でも「勘違いをしていた。みんな、それぞれの宇宙の中にひとりきりなんだ」とあったけれど、こんなこと考える小学生は中々いないでしょうね。(2014.3.22)