風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

「昨夜のカレー、明日のパン」木皿 泉レビュー

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木皿 泉は、1952年生まれの和泉務(いずみつとむ)と57年生まれの妻鹿年季子(めがときこ)による夫婦脚本家のペンネームです。本作は初めての小説だそうです。

はじめて手掛けたテレビドラマ「すいか」向田邦子賞ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞受賞されました。

「すいか」は見ていないのですが、「野ブタ。をプロデュース」や「Q10」は大好きなドラマでした。

どちらも高校生が主人公で設定や感覚や感情表現が豊か、非常に若い感性の作品だと思いました。

王様のブランチでご夫婦の映像を拝見して驚きました。ご主人はお身体が不自由(すいかを執筆後の2004年に脳溢血で倒れ 重度の後遺症が残る)で車椅子の生活をされていました。奥様もまたうつ病を発症し治療を受けながら執筆しているそうです。
病気のせいか、お二人とも実年齢よりかなり老けて見えましたが、お互いを思いやる優しくて飾らないお姿がなんとも知的な印象です。それがこの作品にも表れているように思いました。

 

「7年前結婚からわずか2年で25歳という若さであっけなく亡くなった一樹。その父(義父 ギフ)と暮らす嫁のテツコの物語。まわりの人々とともにゆるゆると一樹の死を受け入れていく。悲しいのに幸せな気持ちにもなれるのだ。「コトバ」の力がじんわり心にしみてきます。」(帯より)

 

とても読みやすい作品なので、日ごろあまり本を読まない方にもお勧めです。(2014.3.22)