「真珠夫人」菊池寛 レビュー
この作品は何度もドラマ化されているので、ご存知の方も多いでしょう。原作は1920年(大正9年)の6月9日から12月22日まで大阪毎日新聞、東京日々新聞に連載された新聞小説です。
菊池寛といえば、昭和10年に芥川賞、直木賞を創設し後進の育成にも尽力し、文芸家協会初代会長となった方です。昭和23年60歳で亡くなりました。
「真珠夫人」は新聞小説だけあって、とても面白かったです。
「真珠夫人」というネーミングが、なぜかとてもエロティックに響き、真珠夫人こと瑠璃子の純真さ清らかさを思えば悔しくて残念な気持ちになるのですが、この名前でなければ、はたしてここまで話題になった作品になったかどうか。非常に絶妙なネーミングだと思います。
男女間の純粋な愛も、沢山のお金も、無償の愛の前に、最後は跪くことになるのですね。
2012-01-23