「女ともだち」中沢 けいレビュー
中沢 けさんの「海を感じるとき」(1978年)を読んだ時は、かなりの衝撃を受けました、
翌年、札幌出身の見延典子さん(早稲田第一文学の卒論)の「もう頬づえはつかない」が話題になってもそれぼど衝撃も受けずさほど新しさを感じなかったのは、明らかに中沢けいさんのせいで、同年代の本好き友が「もう頬づえをつかない」を話題にすることがあっても、中沢さんの「海を感じるとき」を知らないのを残念に思っていました。
これは単純に私が中沢さんの感性に強く惹かれていたということなのかもしれませんが。
惹かれていたと過去形で書いたのは、中沢さんの他の作品を読んでも「海を感じるとき」以上に惹かれるものがないからです。
その中でも上の「女ともだち」は最悪のできではないかと思うのですが、そう言い切ってしまってよいのか、いまだに判断はつきません。
中沢さんにしても見延さんにしても、今も現役の作家であり、多方面において活躍し続けている尊敬する方なのです。
2010-09-19