風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

「お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人」吉村葉子レビュー

20年間パリに住み帰国後もしょっちゅうフランスを行き来している吉村葉子さんの著書のほとんどはフランスと日本を比べたものです。その中でも↑の「お金がなくても、、、」は、ベストセラーになった最初の本です。

この本が新聞の広告欄等で盛んに宣伝されていてとき、ちょっと読んでみたいと思ったのですが中々機会がありませんでした。が、最近たまたま手に入り(なんと30円で!)、ちょっと時代がずれて(日本はバブル期でした)しまったなぁと思いつつ読みました。

今やすっかりお金がなくなってしまった日本人ですが、それでも基本は変わらないと思いました。

 

1ユーロもおろそかにせず、ショッピングに出かけてもとことん吟味して結局Tシャツ1枚買わず、ふだんほとんどお金を使わないフランス人(子どもが18歳になれば生活費はもちろん学費も一切援助なし)、さて彼らは何にお金を使うのでしょうか。

一番は貯蓄。その目的の第一は住宅購入で、バカンス積立と世界旅行がそれに続くそうです。

フランスの住宅といったら、日本のチマチマした建売住宅とはおそらくだいぶ違うのでしょうねぇ。パリの中心地なら歴史がありそうなどっしりとしたアパートメント、郊外なら花園が作れるほどの広い土地に石作りの家、みたいな感じでしょうか。

今の日本人はフランス人ほど住まいに関心を持っていないようです。長時間勤務が当たり前になり、妻子がいようとも、家はただ寝に帰るところ。たとえば8時間労働が守られ夫が毎日午後6時に帰宅するようになったら、日本でも住まいの重要性をもっと考えるようなると思います。

 

さて、2番目のバカンス積立と世界旅行のための貯金というのが日本ではほとんどないでしょうね。
我が家の貯蓄は、今までそのほとんどが子どもの教育費として消えていきました。

日本人は昔から教育のためにはお金を惜しまないところがありますよね。お隣の韓国もそうだし、今は中国もそのようですね。

フランスでは必ずしもそうでないということなんでしょう。しかしフランス人の学力が低いということを聞いたことがないので、学力向上のために親のお金はさほど関係なくこの話は民族性の違いってことなのかもしれませんね。

バカンスや世界旅行のための貯蓄。これができるのはすごく素敵なことですね。子どもの教育費が終われば、老後の生活のための貯蓄に励むしか考えられなかった日本人としては羨ましさを感じます。

世界旅行か、よ~し、みんなでがんばっていくーー??(2012.9.9)