「女の椅子」津村節子 レビュー
やっと津村節子さんの小説を読むことができました。
夫である吉村昭さんの随筆中には津村さんがしばしば出てくるので私の中で津村さんは主婦の鏡のような方、良妻賢母と織り込み済みです。
しかも彼女は、吉村氏さえ何度も候補にあがりながら受賞することがなかった芥川賞作家でもあるのです。そのような方がどにような小説を書かれているのかとても興味がありました。
さてこの「女の椅子」は、昭和42年の作品で時代背景がかなり古くなっていますが昼のドラマになると思いました。つまり背景や情景が次々と目に浮かんでくるのでぐいぐい読み進むことができました。
「夫の浮気に悩み、傷つき、揺れ動く妻のやり場のない気持ちを切々と描いている」この内容は昼ドラ向きでもしかし文章にはそこはかとなく品があり、やはり津村さんは凄い作家だと感じました。
2011-04-18