風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

「風の歌を聴け」村上春樹 レビュー

先月、夫の友人が亡くなりました。夫の友人ですが、私とも独身時代から知り合いだったので彼が結婚するまではよく家に遊びに来ていました。

突然、彼の奥さんから電話がきて彼が癌に冒されていると聞き、慌てて夫が病院にかけつけたときは「思っていたより元気だったよ」と言っていたのに、翌週行くと、すでに帰らぬ人となっていました。しばらく夫の落ち込みは相当なものでした。


一時期、彼はひどく貧乏だったので、家にしょっちゅうご飯を食べにきていました。そんな彼から英和辞書と何か読むものを貸してくれと言われて、当時の私のお気に入りの中から貸したのがこの「風の歌を聴け」でした。その時の彼の感想は「まぁ、ん、まあまあかな」でしたが。

 

またこの作品は映画化されましたが、当時好きだった人たちみんなに勧めたら、一人見てくれた人がいて(彼はロックバーで働いていたのですが)、カウンターでビールを転がしてくれた(小説にも映画にも同じ場面が出てきます)のを覚えています。その彼も昨年亡くなったそうです。
2人とも享年51歳でした(合掌)


二人の追悼の意味も込めて、改めてこの作品をじっくり読みました。


なんだかわけがわからないのにいいのです。いや、ちっともよくはないようにも思うのですが、良かったかもしれないことにしておきたい そんな気分になりました。
青春時代ってこんな感じでいいんじゃないかなーって思うんです。

はっぴぃえんどの「夏なんです」なんかが似合いますね。村上さんは洋楽しか聴かないみたいですけども。

あっと、はっぴぃえんどなら 私は「永雨月のスケッチ」が、いちばん好きですが。