風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

「探偵はバーにいる」東 直己 レビュー

バーがBARにはなっているが、昨年秋(2011年9月)同名の作品が映画化されました。主演は大泉洋さんとと松田龍平さん、ヒロインは小雪さん。他に西田敏行さ?等 名実ともに一流の俳優さんが多数出演しています。
監督はテレビドラマ「相棒」の橋本一さん、脚本は「相棒」「ALWAYS3丁目の夕日」シリーズを書いた古沢良太さんと須藤恭司さんでした。
俳優さんもそうですがスタッフが今をトキメク旬の方たちなので驚きました。ゆえに話題性も抜群で興行成績もかなりでした。
東直己さんのこの「ススキノ探偵」シリーズ(現在までで11作品)の映画化が進めば、もはやハードボイルドにはとてもついていけそうもない 私のようなオバでも地元ファンとしてか、妙にワクワクするものです。

さて、誤解のないように言っておきますが、上の映画はシリーズ2作目の「バーにかかってきた電話」で、タイトルだけが1作目と同名の「探偵はBARにいる」なのです。そして今回私が読んだのは1作目の「探偵はバーにいる」です。

 

私の下手な文章より、下のお二方のレビュー読めば、この小説の面白さがとてもよくわかります。http://mitternacht.sblo.jp/article/51359623.html
http://shigerumichishita.blog86.fc2.com/blog-entry-635.html

私は、どちらの感想にも共感したのですが、お二方はそれぞれの観点で作品を読んでいらして、こんなにも違うのかと思うほどの読み方をしておられます。

私の感想はハードボイルドが嫌いと言われる下の方に近いです。特に「チンピラを学歴や差別的なことを汚い言葉でわざと けなしながら、投げかけた言葉のどれかがチンピラの琴線に触れるのを待ち、後から心の中で詫びている。そして彼が事件に巻き込まれる形で死んだのを知り、一人後悔の涙を流す」所にひっかりを持ったことは、私も全く同じだったのでした。
喧嘩の仕方や部屋の汚さには目をつむりたいし、何かというお酒、それも朝晩かまわず珈琲かジュースのように飲むなんて信じられず、お酒の抜き方も尋常じゃなくて、とてもじゃないけれどこういう人とはお付き合いできないが、知り合いにいればものすごく面白いと思う そう 遠巻きに見ている分には 私は案外平気で、こういうのって おそらく女性には中々思います。 
この作品の愛すべきところは、他にもちらちらとあり、エンターテーメントのような楽しさも随所で感じます。

それは札幌訛り(これは私の造語ですが)であったり、とろけるような「たち」(鱈の内臓)の甘さの中にも潜んでいたのでした。



2012-02-05