「サイレント・マイノリティ」塩野七生レビュー
私にとって、塩野七生さんの文章は難しい。難解と言っていいかもしれない。塩野さんの言わんとしていることのニュアンスは多少なりとも伝わるのだが、おそらく半分も読み込めていないと思う。
けれどもイタリアの潮風を運んでくれる塩野さんはいいな、かっこいいなと思う。
この本の表紙もステキ。もっともこのカバーは、辻修平さんという方の作品だけども。
さて、サイレント・マイノリティとはなんぞや? 辞書を引かずにその答えが解かるといいなと思いながら読み進めたのだけど、白状すると全然分からなかった。
最もためになったのは、宗教と哲学の違いについて一言で述べている次のところだ。
「宗教は、種々の違いはあっても、信ずることが第一となる。これに反して哲学や科学は、なぜかという問いを発することから生まれるのだから、疑いを持つことが第一にくる」
これを読み、今まで宗教を持たずにきた私は、これから先も宗教を持つことがないような気がしてきた。
だって、だって何に対しても「ただ信じること」って、とても難しいことだと思うので。
2011-05-22