風の詩(うた)

ジェジュンとAB6IXを中心にK-POPの音楽レビューを書いています。読書レビューは過去記事です。

「夕顔」白洲正子 レビュー

 

偶然というのは本当に面白いものだと思います。
偶然と必然とは同義語だという考えもあるらしい。

先月、従兄弟の結婚式に出席するため、大阪、神戸に旅した時、一人旅だから本を読む暇もあるだろうと、鞄に文庫本を2冊入れていきました。

 

その1冊は、前に書いた「アンネフランクの旅」(小川 洋子著)で、旅をするのだから旅が付く本がいいだろうと思ったのです。
だからこの本は、飛行機に乗ったらすぐに読み出すつもりで、旅行鞄の前ポケットに入れていたのですが、飛行機の座席に座る前に取り出そうとしたら、何故だか見当たらなかったのだ。
仕方なく飛行機の中では座席のポケットに入っているエアー雑誌を読んでいましたり

それはそれで結構面白く旅の高揚感も高めてくれたし、1冊丁寧に読み終わる頃、飛行機は神戸港上空に差しかかりました。

 

そして旅の一夜目である。この日は叔母と同室だったのですが「どこででも眠れる」という叔母は早々に寝入ってしまい、私は鞄の底の方から題名の「夕顔」を取り出して読み始めたのでした。

 

白洲正子という人は知りませんでした。

でも「白洲」という名はどこかで見たことがあって、それがいつどこでだか思い出せなかったし、その時は思い出す必要も感じませんでした。

 

そして旅から帰って2週間がたち、山ほどの感想を持ちつつ、やっと読み終えた昨日朝、新聞の広告覧を見て驚きました。

「NHKドラマスペシャル 白洲次郎
孤高でピュアな姿が、今なお心を揺さぶる。
英国仕込みのダンディズムを身にまとい、GHQとの折衝に奔走。
戦後日本外交の陰の立役者 白洲次郎が今、改めて注目を浴びている。」


この本に出会ったのは偶然だったのか必然だったのか。

そんなことはどうでもよいのだが、書かずにはいられなかった。
そして「白洲」をどこで見たのか思い出しました。

それは、ある方の日記でしたり
その方は、今「白洲次郎」が脚光を浴びていると熱く語っていたのです。
ハイソなオーラをまとった方で、私は近づけなさそうな感じを持ち、それっきりでハンドルネームも覚えていないのに、「白洲」だけが記憶に残っていたのだから、面白い。(白洲次郎さんと正子さんはご夫婦でした)

 

そして、旅の前古本屋で「白洲正子」の随筆集に出会った私。
表紙裏の正子さんの写真を見て、即買うことにしまひて。
白洲正子さんについては、下のサイトが詳しいです。http://www.st.rim.or.jp/~success/shirasu_masako_ye.html

本の感想を少しでも書きたいと思うのですがこれは見事な随筆集であるとか、正子さんは偉大な人であるとか、そんな言葉はどれも陳腐に思え、書き現すことができない自分を情けなく思います。

 

ただ、「奥深い知識」の中から湧き出てくるなんとも言い難い「趣き」を感じるとともに、思い切りの良さというか、気取りのない物言いが実に爽快です。

そして「夕顔」の話にも耳を傾けたいと私も思うのでした。

 

2009-02-01